戦争の危機 2018 6 24
「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」
現代は、平和が長く続いたので、
誰もが「戦争史」を学ばなくなってしまったかもしれません。
「下手な軍縮こそが、戦争の危機を招く」
戦争史には、そういう歴史があるのです。
今、朝鮮半島をめぐる「軍縮」は、
「下手な軍縮」に該当するかわかりませんが、
軍縮をするならば、精密かつ正確に行う必要があります。
粗野な軍縮は、戦争の危機を招くことになります。
多くの人は、こう思うかもしれません。
今、朝鮮半島は、平和へ向いているのに、
「戦争の危機」とは、なんてことを言うんだと。
庶民は、このような発想でよいのですが、
国民の生命と財産を守るべき政治家が、
このような発想だったとしたら、
明らかに「政治家失格」です。
「平時に有事を考える」
これこそが、政治家に求められる発想です。
いざ有事になってしまうと、
誰もが異常心理になってしまい、
正常な判断ができなくなります。
だからこそ、平時に有事を考えることが必要です。
これは、政治家になったら、
すぐにも身につけるべき習慣です。
20XX年、北朝鮮から発射された弾道ミサイルは、
ハワイとグアムに着弾。
アメリカの世論は激高し、
大統領の支持率は80%を超えた。
アメリカ海軍は、即座に反撃。
日本海と黄海に前方展開している原子力潜水艦から、
特殊なミサイルが発射され、
平壌や38度線付近は、大規模な停電が発生し、
電子機器は、すべて死滅した。
膨大な量の電磁波が降り注いだと推定された。
北朝鮮を「緩衝地帯」として失いたくない中国やロシアは、
またしても朝鮮半島の紛争に巻き込まれてしまった。
これは、最初から紛争に巻き込もうと計画した北朝鮮の作戦に、
中国とロシアが乗せられてしまった。
朝鮮半島の伝統 2018 6 17
賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ。
書名 結論！ 朝鮮半島に関わってはいけない
2000年の伝統
「内紛と外国を巻き込むこと」が今も繰り返されている
著者 石 平 飛鳥新社
著者とともに「朝鮮戦争」を振り返ってみましょう。
1950年6月、北朝鮮の人民軍が38度線を越えて、
韓国に侵攻したことにより、朝鮮戦争は始まりました。
この戦争は、最終的には、
アメリカを中心とする国連軍と中国の義勇軍の戦いになりましたが、
この戦争による軍人と民間人の犠牲者は、
数百万人に上ると言われています。
戦争の終盤には、38度線付近で膠着状態になり、
そのまま休戦協定になっています。
つまり、数百万人の犠牲者を出しながら、
双方とも何も得るものはなかったのです。
北朝鮮側は、戦争を始めるにあたって、
ソ連のスターリンに承認を求めました。
しかし、スターリンは、おそらく、
「中国が賛成するならば」という条件を出したかもしれません。
一方、中国は、当時、
中華人民共和国が建国されて間もない状態だったので、
北朝鮮の戦争計画に賛成するはずがありませんでした。
毛沢東は、おそらく、
「韓国軍が38度線を越えれば、我々は参戦するが、
そうでなければ、我々は傍観する」という返事だったはずです。
にもかかわらず、北朝鮮は、
「中国から賛成が得られた」とスターリンに告げ、
朝鮮戦争に踏み切りました。
北朝鮮は、戦争の前半において、圧勝を重ね、
あっという間に、朝鮮半島の南端まで達しました。
そのため、韓国は、釜山を中心とする「都市国家」になりました。
これに対して、アメリカを中心とする国連軍が編成され、
1950年9月、仁川上陸作戦が敢行されると、形勢が大きく逆転します。
北朝鮮に占領されたソウルを回復することができました。
これで、朝鮮戦争は終わるはずでした。
アメリカのトルーマン大統領は、「38度線を超えてはならない」と厳命しました。
にもかかわらず、韓国の李承晩大統領は、
国連軍の一部である韓国軍に「38度線を越えて進軍せよ」と命じました。
この命令は、結果的には、中国軍（義勇軍）の介入を招き、
朝鮮戦争は、泥沼の戦いとなり、
双方とも、戦死者が増えるだけの「不毛の戦い」となりました。
しかしながら、北朝鮮は、スターリンと毛沢東を手玉に取ったという「政治的勝利」、
韓国は、トルーマンとマッカーサー元帥を手玉に取ったという
「政治的勝利」が得られたと主張するかもしれません。
このような歴史的経緯にうんざりしている、
アメリカ、中国、ロシアは、
「朝鮮半島には関わりたくない」というのが本音です。
おそらく、朝鮮半島を囲む「壁」を作って、
「壁の中で、北朝鮮と韓国は、気が済むまで戦ってほしい。
自分たちの内紛に外国を巻き込むな」と言いたいでしょう。
一方、北朝鮮と韓国は、「そうはさせない」と考えて、
アメリカ、中国、ロシア、日本に「内通者」を大量生産させているところが、
北朝鮮と韓国の「政治力」です。